佐久間ダムが抱える課題
堆砂問題
浜松市域の天竜川には3つのダム(佐久間・秋葉・船明(ふなぎら))があります。上流部の佐久間ダムは、1956年に完成してから半世紀以上が過ぎており、ダム湖には約1億2千万㎥(総貯水量の約1/3)の土砂が溜まっています。佐久間ダムには「排砂ゲート」が設けられていないため、毎年130万㎥の土砂が増加しています。一方、ダムが土砂の移動を遮断しており、河口部では海岸線の浸食が進んでおり、堆砂処理のための超長期的な戦略が必要となっています。
佐久間ダム(1956年完成)
国の取り組み
国(国土交通省中部地方整備局)は、ダムの洪水調整機能を維持し、海岸線の浸食を抑制するため、堆砂バイパストンネルによる排砂や、堆砂を浚渫して河道に仮置きし、洪水流で河口に移動させる事業を行っています。前者については、堆砂の粘性が高くトンネル内で目詰まりするため中止となっています。後者については、浚渫した堆砂を運搬船でダムまで運び、ベルトコンベヤでダムの下のストックヤードまで運んで仮置きし、出水時に流出させる工法をとっています。
ダム堆砂の利活用
現在、国の認可を受けた天竜川砂利事業協同組合等により、年間約40万㎥がコンクリートやアスファルト用骨材として資源化されています。ダムにとって堆砂は厄介者ですが、活用すれば資源に変わります。より多くの堆砂を資源化することで、ダム堆砂を減らすことができます。